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俺が生きていた世界はとにかく残酷だった。
人間は人間を殺した。
なんの罪もない人間を。
「やめてくれ!!殺さないでくれ!!!」
「もう遅いんだよ」
「嫌だァアアア!!!」
この世界の人間は狂っている。
「ふふふっ……」
「…あ゛…あ゛ぁ゛……」
「ふふふっ……ははっ……ははははははははははッ!!!!」
止められない振動
振りかざす鎌は死神のモノ
そして俺は、
「なんでだよ…なんであんたまで!!」
「僕はもう飽きたんだよ。こんな血生臭い世界とはおさらばしたいんだよ!」
「だからってあんたがヤらなきゃならないことなんてないだろう!?」
「僕がヤらなきゃ誰がヤるんだよ!!」
「まだ道はあるはずだ!!だから少し待とうよ。死んだら何も出来ないんだよ!?」
「煩い!!もううんざりなんだよ!!!こんな世界も平和を求める君もっ!!!」
「やめろぉお!!!」
飛び掛かるあんたの血。
あんたは血を飛ばして崩れ落ちる。
俺が伸ばした手は誰の何も掴むことが出来なかった。
「なんで……なんで……どうしてあんたが……こんなの、意味なんてないじゃないか……」
堕ちたあんたは鉄の臭いがした。
真っ白な肌は氷のように冷たかった。
――コレガ死ナンダ
――無意味ナ死
「ああぁぁあああ!!!!!」
突き付けられた現実。
俺は 俺が
憎い
「さようなら」
声がした。
透き通る女の声。
俺の意識はそこで堕ちた。
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