繋がる想い

16/22
前へ
/223ページ
次へ
「そんな身構えないでよ。もう、何にもしない……と思うから」 「はいはい」 ヘラッと笑う弦に敢えて突っ込む事はせず、やや棒読みの調子で返事を返す日向。 「あれ? 何か冷たくない? さっきまであんなに誘ってきてた……」 「うっ、五月蝿いなぁ! それより、聞きたい事ってなんですかっ!」 ちょっとからかってみただけなのに。 真っ赤な顔で反論してくる日向の姿が、弦には堪らなく愛しく見えた。 「俺の何処を好きになってくれたの?」 弦の言葉に、コーヒーカップに伸ばしかけていた日向の手が止まる。 「……何でそんな事聞くんですか」 「気になるから」 一瞬間を置いてカップを掴む日向に、即答する弦。 日向はコーヒーを一口飲み下すと、ゆっくりと口を開いた。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9176人が本棚に入れています
本棚に追加