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「そんな身構えないでよ。もう、何にもしない……と思うから」
「はいはい」
ヘラッと笑う弦に敢えて突っ込む事はせず、やや棒読みの調子で返事を返す日向。
「あれ? 何か冷たくない? さっきまであんなに誘ってきてた……」
「うっ、五月蝿いなぁ! それより、聞きたい事ってなんですかっ!」
ちょっとからかってみただけなのに。
真っ赤な顔で反論してくる日向の姿が、弦には堪らなく愛しく見えた。
「俺の何処を好きになってくれたの?」
弦の言葉に、コーヒーカップに伸ばしかけていた日向の手が止まる。
「……何でそんな事聞くんですか」
「気になるから」
一瞬間を置いてカップを掴む日向に、即答する弦。
日向はコーヒーを一口飲み下すと、ゆっくりと口を開いた。
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