9176人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺も何かの本で読んだだけなんだけど……」
言いながら弦もコーヒーを一口すする。
「相手の何処が好きかなんて、一言で言えたらそんなのは本当の好きじゃないんだってさ。だから、日向の言う『よくわからない』は正解なんだと思うよ?」
「へー……そーゆー考え方もあるんだ……」
「それに……」
感心したように一人頷く日向の頬に、弦の指が触れた。
瞬間、日向の肩がピクリと揺れる。
「俺にもっと触れて欲しいとか思ってくれてるだけで、もうそれだけで十分だから……」
「待って!」
そう言って唇を求めてくる弦の口元を両手で押さえた日向は、ニコリと笑って聞かれたと同じ質問を弦に返した。
最初のコメントを投稿しよう!