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本棚に追加「ねぇ、絵のモデルやってくんない?」
たまたま美術室の前を通りかかった結城日向(ユウキ ヒナタ)にそう話しかけてきたのは、美術教師、加藤弦(カトウ ユズル)だった。
スラリとした長身に、歳は二六歳。
顔もそこそこで、よくある美術教師らしからぬその風貌は女子生徒達に人気があり、明るく人なつこい性格からか男子生徒にも慕われていた。
「は?」
「いや、『は?』じゃなくて……絵のモデルやってくんない? って言ってんの」
美術部員でなければ美術の授業も取っていない日向からすれば、弦とはほぼ初対面。
いくら人気のある教師でも用がなければ話し掛ける必要も特に無し……そう日向は考えていた。
「あは。新手のナンパですか? ……いくら人気者の先生でも校内でそーゆーのって正直どーなんですか?」
怪訝そうな表情の日向に、弦は尚も馴れ馴れしく話しかけてくる。
「ナンパって……ぶはっ。おもしれ。やっぱり思った通りの子だ。結城日向……さん?」
突然噴き出したかと思うと、弦の口から出た自分の名前に日向は疑問符を浮かべる。

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