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「親父も大袈裟だよなぁ…俺、こんなに元気なのにさぁ」
「……しょうがないだろ。早く完治して、親父さん安心させてやれ」
俺の前に、吉野が寝転がっている。ここは総合病院の病室だ。
吉野の胸に手術の痕があり、それがちらりと覗く度に胸がどきりとする。俺も吉野も馬鹿だから、吉野の親父が言った病状をよく理解出来なかった。
「…な、手術の後って痛い?」
「痛いよ。何も食べれないしなぁ…」
吉野の腕には針が刺されている。点滴で栄養を取ってるんだろう。
「……そか」
点滴液が音もなく、ゆっくりと落ちていく。
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