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「何回見てもわからねえ…」
彼はクツクツと声を抑える様に笑った。
「なんでか、教えてやろうか?」
ちらりと目線を奴に送る。
奴はスペードのAを、右手で怪しい持ち方をしてる。人差し指と小指だけ立ってやがる。
怪しい手しやがって。
「なんでだよ?」
奴が笑いながら言った答えは、確実に嘘だ。
「これは魔法なんだよ」
そう言った奴は怪しげな左手で、指をパチンと鳴らした。
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