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表へ出ると沈み行く夕日に照らされた街がとても美しかった…急に九郎のお腹が鳴る…先程の梅干しのせいだろうか…
「飯でも食うか…」
歩いていると…見慣れた看板…『鮨観』の文字…ここの親方の武田がまた…凄い人で…弟子の井上をこき使う…
九郎が引き戸に手を掛け開けると…
「源仁~!!貴様!何度言えば!」
いつもの怒鳴り声…
「親方~!堪忍です~!!」
九郎に気付いた井上が助けを求めるように…
「へい!らっしゃい!」
客の手前怒鳴りはできないだろう…
「なんだ…お前か九郎…」
大将~なんだお前かはないでしょう…
「適当にお願い…」
この人は注文を嫌う…だからいつも適当なのだ…間違った物は絶対に出てこない…職人すぎる人なだけなのだ…
お腹も満たされたのでまた礼を言い店を出る…
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