夏の思い出…

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 「相変わらずこの店は…ハァ…」  呆れ返る九郎に沖田が迫る…  「ベッドの上なら騒いでいいのよ~!どう?九郎ちゃん!」  キスをせがむ沖田の顔を引き剥がし酒に向かう九郎…少しつまらなそうな沖田の顔が面白かった…  また扉が開く…入ってきたのは喫茶店のマスターの永倉だった…  「あら?新ちゃん…いらっしゃい!」  永倉が席に座ると沖田がバーボンのボトルとグラスを出す…いつもの光景だった…沖田の凄い所は客の好みを覚えている事…商売人として当たり前のようだがいちいち覚えていないのが普通であろう…  「お疲れ様です…マスター…」  永倉の差し出したグラスに自分のグラスを重ね乾杯する…チンと澄んだ音が静かな店内へ響いた…
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