夏の思い出…

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 話もまとまった事もあるので九郎は皆と別れ一人でぶらつくことにした…  この街は自分と同じ日本人がかなり住んでいた…自然と立ち寄り先になる…  無口なマスターのいる喫茶店とか…怪しい雰囲気のバーとか…寿司屋とか…ほとんど日本にいるのと変わらない…  とりあえず一人になりたいので喫茶店に入る事にした…  「いらっしゃい…」  会話はいらなかった…マスターは黙ってコーヒーを出す…フワッと香るいい匂いに酔いしれ一口飲む…幸せな気持ちになる…  だけど…けだるい気持ちは抜けない…ため息が腹の底から湧きだす…  「良いため息だ…」  マスターの言葉は一言一言が重い…たまに聞くと新鮮な気持ちになる…
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