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作文タイトルに「僕のお母さん」と書いたっきり僕は鉛筆をおいて何をどう書いていいのかわからずただずっと苦痛に耐えていました。
しばらくすると兄が部屋にきて兄も宿題の作文用紙をカバンから取り出して机に広げた。
兄は僕と違い作文をスラスラと書きはじめていた。その日僕は結局タイトルだけを書いて何も書く事ができず寝てしまいました。
その翌日僕は憂鬱になっていました。朝食もいつもより食べれず、登校中もずっと作文の事を考えていました。
僕はどうやって書けばいいのか…
普段のままに書くのがみんな当たり前なんだろうけど僕は普段のままには書けなかった。それは、昨夜のご飯の時母が言ったあの言葉が残っていたのです。僕だって恥をかかせるつもりはないのです…
できれば優しいお母さんって書きたいってずっと思ってました。でも、僕の中に写っている普段の母と、僕が思い描いている優しいお母さんとは全く違い、それは紛れも無く事実な訳でそれを書けば母はきっと必ず怒ると僕は思っていました。僕は誰にも話す事ができずに刻一刻と時間だけが流れついに宿題提出日が迫る2日前までになってしまったのです。
僕は悩みました。
一生懸命悩みました。必死に答えを見つけようとしました。
しかし結局答えは見つからずついに僕は嘘を書きはじめてしまったのです
そう…それは僕の思い描いていた優しいお母さんでした。これじゃ…事実ではなくただの僕の理想論だけになってしまったのでした…
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