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僕はまた玄関から遠ざかり近くの公園に向かい、すべり台の上に座り一人泣いてしまいました…
その思いは、やはり孤独感からでした…
作文を書く事がこんなに辛い事で淋しい事だとは思いもよらなかったのです。
僕だって友達のお母さんみたいな母だったら書く事がたくさんあっていい作文が書けるのに…
それは…僕が初めて母を憎んだ日でした。
そして家に帰ればいつも兄だけには優しくニコリと微笑みながら話している光景ばかりを見る毎日でした。
僕はしばらく公園にいました。気持ちがおさまり家へと歩きだし玄関を開け、
「ただいま」
と一言言いました。いつもみたいに返事はなく部屋に入っていきました。僕は一人部屋に閉じこもっていました。すると兄が部屋に来て、
「リョウ、おやつ食べないの?」
と兄が言いました。僕は、
「兄ちゃんにあげる」
と言うと兄は母の元へ行ってしまいました。その日の夕食僕は黙々と食べました。母は気にかけてくれる様子もなく兄と今日学校であった事などを楽しそうに話していました。僕の心の中に再び母を強く憎む気持ちがでてきていたのです。僕はそんな雰囲気に耐えられなくなり、
「ごちそうさまでした」
も言わず無言でその場から離れようとしたら母が、
「リョウ、ごちそうさまぐらい言えないの?食べたらごちそうさまでしょ!本当にあんたは……」
と強く言われ、
「ごちそうさまでした」
と小さくつぶやくように部屋へと戻りました。
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