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僕は一晩中その棚の中で初めて過ごした次の朝、父が扉を開けると同時に体の力が抜け一瞬にして落ちてしまいました。父は落ちてくる僕を受け止める事が出来ず、僕は床に叩きつけられ落ちた衝撃で足と肩がものすごく痛かったのを覚えています。落ちた僕を見て父の出た一言目は、
「ごめんなさいって言うか?」
僕は痛くて動けませんでした。もちろん、
「ごめんなさい」
なんて言葉は頭の中にはなかったのです。その日僕は学校を休んで家で寝ていました。
しかし、家には誰もいなく父と母は仕事に行ってしまったのです。その代わりにおばあちゃんが家に来てくれたのを覚えています。おばあちゃんが、
「大丈夫かい?何があったの?お父さんはリョウが転んで怪我をしたって言ってたけど、どこで転んだの?」
と言ってきました。僕は、父が僕にした事と全く違う事を言った事に一瞬にして涙が込み上げてきました。それは怒りを通り越して、
やっぱり僕なんて、どうでもいいんだ…
という気持ちでした。でも涙だけは流したくなかったのでおばあちゃんに、
「おばあちゃん公園に行きたいからちょっとだけ行ってきていい?」
とおばあちゃんに言うとおばあちゃんは、
「そんな体で行ったらあかん!学校休んで寝てるんやから…」
と言われました。僕はどうしてもあの公園に行きたく仕方がなかったのです。
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