プロローグ

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カッ 青白い閃光が砂漠を切り裂き、一機のACを貫く。 次の瞬間、俺の目の前の光景は暗転し、耳にはやかましい警告音が響き渡った。 …くぁ~、またかよ… 決して座り心地の良いとは言えないコックピットの中でうなだれていると、ビービーうるさかった警告音が止み、カメラアイが復旧する。 写し出されたディスプレイには、今しがた俺を撃墜したネクストAC『ファントムペイン』が、薄紫の装甲を輝かせ仁王立ちしている。 「模擬戦でなければ死んでいたぞ。お前、やる気があるのか?」 インカムから女性の凛とした叱責が聞こえる。 「無茶言わないで下さいよ。教官の乗ってるファントムペインはリンクス戦争を生き残ったバリバリの実戦機なんでしょう?その攻撃をこんな模擬戦機で耐えろなんて…」 その声に、俺は顔をしかめながらも精一杯の抗議をした。
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