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『…ママの友達にね、真理って子がいたの。あんたを連れてよくお墓に行ってるでしょ?真理は、呪いのチェンメで死んだの…』
恵美が過去の事を話す。
しばらく真奈美は、黙って恵美の話に耳を傾けた。
『でも本当は…呪いを解いたはずだった。平和に暮らしてたのに…また、真理にチェンメが送られてきた。呪いは終わらなかった…それほどまでに幸子の怨念は強いと思い知らされたの』
恵美の瞳から一粒、また一粒と涙が零れる。
恵美は、その涙を拭う事なく喋り続けた。
『でもその怨念は幸子のものではなかった。幸子の子供の怨念……』
(…幸子?子供?)
俯く恵美に真奈美がまとめる。
『その“幸子”って人が…怨念で呪いのチェンメを送っていたって事?…で、真理さんはそのチェンメを送られて呪いで死んだ…』
恵美は軽く頷いた。
『…幸子の子供っていうのは?』
真奈美が質問をすると、恵美が俯きながら答えた。
『幸子は妊娠していて、旦那の不倫相手の女子高生に赤ちゃんを殺されたの…』
恵美の話を聞くと、真奈美は眉間にシワを寄せた。
『じゃあ子供の怨念っていうのは…?』
恵美は、しばらく黙っていたが重そうに口を開いた。
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