6187人が本棚に入れています
本棚に追加
『たぶん生まれたかったんでしょう…。この世に生まれてくるはずだったのに、生まれる前に命を失った。抵抗する事も出来ないまま…殺された。だから生きている者全てに怨みを持ってるんだと思う』
幾度も繰り返す呪いと恐怖。
恵美は、真理が死んだ後ケータイを手放した。
チェーンメールが送られてきてしまえば、その先に待っているものは“死”。
『もう…大切な人を失うなんて事だけはしたくないの…だからあんたには関わって欲しくなかった。』
肩を震わせる恵美を、真奈美は小さく感じた。
いつも威勢を張っている母の裏側を知ってしまった。
そんな辛い過去があったのか…。
『ママ…』
真奈美は、肩を震わせ泣き続ける恵美を抱きしめた。
『話してくれて…ありがとう』
そう言うと、真奈美は自分の部屋に戻った。
(呪いって…信じてなかったけど本当にあるんだ…)
真奈美は、ベットに倒れ込むと、仰向けの体制で天井を見つめながら考え事をしていた。
(呪いで人が死ぬ…終わったはずの呪いが蘇る…)
『う~~ん…!』
真奈美は、いくら考えても理解出来ないため、両手で頭を抱えた。
最初のコメントを投稿しよう!