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『これって…!夢で掴まれた場所と一緒…』
背筋に寒気が走る。
『真奈美~!いい加減起きな!』
下の階から恵美が真奈美に叫ぶ。
真奈美は大声で返事をすると、まくった袖を下ろし、学校へ行く仕度を済ませた。
(なんか…腕痛い…)
若干の痛みを感じつつも、真奈美は気にしない事にした。
学校につくと、真奈美は自転車を駐輪場に停め、トボトボと歩きながら教室へ向かった。
(あの女の子…一緒に遊ぼうって言ってたけど、もしあそこでアラームが鳴らなかったら遊んでたのかな…)
気にしないつもりでも、やはり気になる様子の真奈美。
(もし…遊んでたら?どうなってたのかな…)
考え事をしながら教室の扉を開けると、真奈美はクラスの空気が重い事に気付いた。
いつもなら騒いでいて煩い教室が静まり返っている。
所々で泣いている者の姿もあった。
『な…なに?どうしたの?』
真奈美がおどおどしながら隣の席の由紀に聞いた。
『呪いだ…これが呪いなんだ…』
由紀は一点を見つめながら呟いている。
真奈美の声は届いていないようだった。
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