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『ちょっと!由紀?!』
真奈美が焦って由紀の体を揺すると、由紀はハッと我に帰った。
『あ…真奈美。おはよ…』
由紀が力無く挨拶をした。
真奈美の存在に気付いていなかったようだ。
『…みんなどうしたの?なんでこんなに暗いわけ?』
何も知らない真奈美が由紀に聞く。
由紀の瞳には、今にも溢れだしそうな程の涙が溜まっていた。
『和也が…死んだ』
和也とは、真奈美と由紀のクラスメート。
2人は、和也と仲が良かった。
『嘘…でしょ……?』
全身から力が抜け、真奈美はその場に座り込んだ。
『呪いだよ…これが…本当の呪い……』
由紀はブツブツと呟いていた。
すると、そこに2人の男が近づいてきた。
『真奈美…』
『裕介…和也が死んだって本当なの…?』
裕介は、前髪で顔を隠し俯いた。
裕介の代わりに、もう一人の男が答えた。
『マジだよ…信じたくないかもしれないけど…昨日死んだって。俺、あいつの母ちゃんから電話がきてさ…』
『伸二………』
伸二の言葉に、真奈美の瞳から溢れた涙が零れ落ちた。
真奈美は、和也の事が好きだったのだ。
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