第2の呪い

7/9
前へ
/106ページ
次へ
―視聴覚室へ向かっている由紀と伸二。 この2人は両想いなのだがまだ付き合ってはいない。 『…てかさぁ』 由紀が喋り始めた。 伸二は黙って聞いている。 『和也が死ぬとかマジありえないよね…あんな明るい奴がさ…昨日まで元気だったのに』 和也は、明るくてリーダー的存在の男だった。 『うん…。けど、あいつ昨日様子おかしかったよ』 と、伸二が話す。 由紀は伸二の顔を見つめた。 『あいつのケータイに着信が入ってさ…その後にあいつが青ざめた顔して、なんかぶつぶつ呟いてた…』 伸二の話に相槌を打ちながら由紀は耳を傾けた。 『聞こえなかったからさ…耳近づけたら「アイツが来る…!」って言ってたんだ…。俺らが「アイツって誰だよ」って聞いたけど和也震えてどっか行っちゃって…。そんまま…』 語尾を震わせる伸二。 だが、伸二は話し続ける。 『俺さぁ「なんであん時追いかけなかったんだよ…!」って罪悪感でいっぱいだった。和也が死んだ時なんてさ、俺遊んでた…。最悪だよな…マジ最悪だ…』 伸二は頭を抱え、涙を流した。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6187人が本棚に入れています
本棚に追加