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『ねぇ…聞こえてる?あたしの子…もう5歳になったよ』
そこは、とある墓地。
恵美が娘を連れて墓前で呟く。
『ねぇ…真理…。なんで死んだのよ……あんたにあたしの子…見て欲しかったのに…』
真理は恵美の大事な友人だった。
いや、友人以上の親友だった。
だが、呪いのチェーンメールによって死んだ。
終わったはずの悪夢が蘇り、遺体となって発見されたのだ。
『恵美の子供は~ヤンキー確定だね!』
真理が冗談を言う。
『ふざけんな。姫だし』
笑いながら恵美も冗談で返した。
『でもさ、自分の子供とか絶対可愛いよね!楽しみだな~』
いつか結婚してお互い母親になったら、子供を連れて遊びにいこうね…と2人は約束を交わした。
だが、約束を果たす事なく真理は冷たい墓石と化した。
もう逢う事も会話を交わす事も出来ない。
『あんた楽しみだって言ってたじゃん…なのになんで…』
恵美の瞳から涙が自然と零れた。
『あんたが好きだったお菓子持ってきてやったから…天国で食べな』
墓前に菓子と花、それから線香を点し娘の手を引いて墓地を離れた。
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