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『嘘だろ…なんで和也から…』
送信者は和也。
死んだはずの和也からチェーンメールが転送された。
伸二の手からケータイが滑り落ち、床に転がった。
すると、そのケータイからまたバイブ音が流れた。
今度はメールじゃなく、着信。
ケータイ画面には《非通知設定》と出ていた。
伸二が電話に出ようとしなかったため、由紀がケータイを拾いあげ通話ボタンを押す。
『…もしもし?』
由紀が、誰だかわからない相手に喋りかける。
すると、聞き慣れた声が受話口から聞こえた。
『俺だよ。伸二に代われ』
死んだはずの和也。
だが、声は似ているが、由紀には明らかに別人だとわかった。
(和也じゃない…和也こんな冷たい言い方しないもん…)
由紀が沈黙していると、その沈黙を破るかのように受話口から声が聞こえた。
『早く伸二に代われ』
背筋が凍るほどの低い声で命令され、伸二にケータイを手渡す。
震える手で受け取った伸二が受話口を耳に当てると、和也の笑い声が聞こえた。
そしてその声は高い少女の声に変わった。
『ネェ、一緒ニ遊ボウヨ』
少女は伸二に“遊び”を強要した。
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