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『ご飯食べたら出るね』
そう言って、真奈美が電話を切った。
夕飯を済ませた真奈美は、由紀に呼び出された場所へと向かった。
そこは近所の小さな公園。
『真奈美~』
公園のベンチに腰掛け、真奈美を待っていた由紀が叫ぶ。
『遅くなってごめんね』
真奈美は由紀の隣に腰掛けると、由紀が缶ジュースを手渡した。
プシュ…と音を立て、缶ジュースを少し飲む。
炭酸が口いっぱいに染みわたった。
『ねぇ真奈美。真奈美のお母さんの様子がおかしかったって事は、呪いのチェンメに関わってたって事なんじゃない?』
由紀が真奈美に聞く。
『うん…たぶんね。でも何聞いても答えてくれなかった』
真奈美は缶ジュースを見つめながら先ほどの恵美との会話を思い出していた。
『あんた…首つっこむんじゃないよ』
震えながらそう答えた恵美。
あの言葉の裏に何が隠されているのか……。
真奈美は気になって仕方がなかった。
『あたしさぁ、ちょっと調べてみようかなぁって思うんだけど』
由紀が真奈美を見つめながら話す。
真奈美は缶ジュースを見つめたまま無言だった。
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