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『花火』
彼女が先にバイトをあがり、オレがバイト終わるのを表で待っててくれて。
一緒に花火を買いに行った。
自転車の後ろに彼女を乗せ、公園に向かった。
夏の暑いのにオレの背中にギュッと抱きついて
♂『暑くないの?』
♀『全然平気。』
♂『オレ暑いよ』
♀『もぅ!』
なんてじゃれあいながら
二人だけの花火大会。
夜の公園はとっても静かで花火の明かりが彼女を照らす。
彼女は笑顔で
『花火めちゃ綺麗やなぁ』
…やばいメッチャ可愛い。
何故かこっちが照れてしまい。まともに顔も見れず
『うん。』しか言えなかった。
花火が終わって彼女が言った。
♀『来年も絶対一緒に花火しよな。約束ゃで。』
♂『うん。しよな。』
…しかし来年はなかった。
花火は
一瞬にして華やかに咲き。一瞬にして散ってしまう。
花火は綺麗だけど、寂しく儚くもある。
夏の終わりになると思い出す。
二人の花火大会を。
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