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『桜の咲く頃』
桜の咲く頃になると思い出す。
桜の色のように淡い淡い思い出。
あの頃の自分はとても若くて。
思い立ったら即行動で後先の事は考えず、彼女に会いに行った。
彼女は嬉しくて涙を流してた。
笑いながら彼女の涙を拭いてあげて。
二人で桜を見に行った。
寄り添いながらずっと桜を眺めてた。
二人でいてる事が幸せに感じて。
ずっと一緒に居たかった。
また来年も一緒に桜を見に行く約束をした。
けどその来年はなかった。
桜が舞い散る様にすぐに終わりを迎えた。
今その彼女は結婚して幸せな家庭を築いている。
桜を見ると思い出す。
懐かしいあの頃を。
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