1051人が本棚に入れています
本棚に追加
「鷲崎!?何故だ!?」
近藤がすごい形相で叫んだ。
「そうですよ………なんで鷲崎
さんが…………」
(倉瀬さんならともかく……)
沖田は全くわからなかった。
「本当の兄妹みたいだったじゃ
ねぇかよ!!」
原田が叫んだ。
「何故?………兄妹ねぇ…」
ハッと嘲笑う鷲崎は、頬についた傷跡を擦った。
土方はキッと鷲崎を睨む。
(頬に傷?)
鷲崎の頬に刀でつけられた古傷があった。
「サラは長州だぜ?それにこれ
は幕府の命でもあるんでね
兄妹……ねぇ、確かにね」
鷲崎の言葉にサラは笑いながら返す。
「幕府の命?……あんた自身が
人を切り刻みたいだけだろう
?しかもッ………兄妹なんて
虫酸が走る!!!」
(もっと注意すべきだった!)
「?」
永倉は今までの鷲崎にたいする珠里の態度が違う事に戸惑う。
「珠里?」
それは土方や周りの者も同様だった。
「ねぇ、サラ。懐かしいねぇ
こうして素をだすとさぁ―…
まるで」
鷲崎は懐かしむように空を見上げ、目だけを動かしサラを見据えた。
「あの時のようだよ―――…」
「ッ―――――…」
(珠里?)
サラの表情が今までに見たことのない、恐怖が交じった顔をしていた。
「ねぇ?サラ……楽しかったろ
う?
……おいしかっただろう?」
「やめて!!」
クスッと笑う鷲崎。
「珠里………?」
両耳を塞ぎ青ざめた顔をして俯くサラを見て土方は不安を覚え、鷲崎を睨んだ。
最初のコメントを投稿しよう!