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オーギュストは一瞬彼女を見つめ、すぐに振り向き、おもいっきりの驚きをロルフに伝えた。
ロルフもそれ以上に驚いていた。
オーギュストは驚いた拍子に、2、3歩、彼女から離れていたが、さらに続けた。
「そ、それはいったいどういう…」
オーギュストが必死の思いでアンナに再び話し掛けた瞬間、彼女は歌いだした。
シのフラットが響く。
ラ、ソ…
旋律に合わせて彼女はゆっくりと歩き、目の前の階段を一歩一歩くだる。
「皇女様!」
オーギュストが彼女の肩を再びとろうと手を延ばしかけた瞬間、ロルフが彼の肩を掴んだ。
オーギュストはロルフの手を振り払おうとした。
しかし、ロルフはオーギュストの片側の肩を引いた。
オーギュストはロルフの顔を見た。
「ロルフ!」
「見ろ」
ロルフの視線の先には貼紙があった。
『関係者以外立入禁止』
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