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あたしは力いっぱい美咲を突飛ばし、泣いてる女の子が巻き添えにならないようにその場を走って逃げる。
当然美咲も追い掛けてくる。わかってはいるけどこういうときって足が震えて上手く走れない。
(逃げちゃ……ダメだ!)
この期に及んでもあたしは逃げたくない…なんて思ってしまった。
ここで逃げても何も変わらない……美咲だって抜け出せずにいるんだ。
あたしは立ち止まり、美咲の方へ向きなおす。
そんな決意も虚しく、振り向くと同じくらいの勢いで突き飛ばされた。
走りながら突飛ばしたのだろう…あたしの体は道路の真ん中に倒れた。
車が急ブレーキを踏んだ音が聞こえたのであたしはこのまま引かれるのだろうと思った。
ドンッ
黒い影が見えてあたしの体はまた宙へと投げ飛ばされた。
それからのことは意識を失ったので覚えてない。なんとなくこうなるんじゃないかななんて思ってた。
あたしも祐介のところに行きたいなんて……強く思ってしまった。
あまりにも唐突に、一瞬の出来事だった。
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