1、学園

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「沫……っていうんだ……、うひゃあ!?」    またしてもいきなり、今度は両脇に腕を差し込まれてひょいっと持ち上げられた。   「軽っ……、本当に男か?」 「ぐさっ!」    少し気にしている所を指されて、胸が痛む。   「早く部屋に戻れよな。おチビさん」 「なっ、なんだよもう!子供扱いしないでよ!!」    思わず怒鳴ってしまうけど、自分でも悲しくなるぐらいにかわいい反抗しかできない。  案の定、沫はアキトの子供じみた姿に笑いを軽く堪えていた。   「そういう所がガキなんだよ」 「なんだよぉ!僕だって今年で十七だもん!大人だもん!!」    叫びつつも、アキトは自分の幼すぎる反抗態勢に心中で泣いた。  さすがに呆れられたかと思って前を見てみる。    するといきなり、     「大人、だって?」      右腕を掴まれて、引っ張られた。   「うわっ……!?ひゃうっ!!」    痛くはないけれど背中を扉に叩き付けられて呼吸が止まり、左手も掴まれてしまった。   「本当に大人なのか?」    目の前に迫っていた沫の顔にどきどきするも、嫌な予感に別の意味でどきどきしている。   「そ……そうだよ」    嫌な予感を振り切ろうとして声を出すけど、震えてしまう。      沫の目が、なんとなく怖かったからだ。     「お前が大人なら、証拠ぐらいみせてもらおうか?」 「え……?」
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