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俺とカイトは遊んでいた。
すっかり魔力を取り戻した俺。
すっかり疲労を回復したカイト。
遊んでいました。
『あらあら…。』
木登り、100メートル走、障害物レース…。
ひたすら遊んでいた。
それも聖霊神達を巻き込んで。
『もう調子はいいみたいですね。』
太陽の聖霊神、アポロンがそう言うのが遠巻きに聞こえた。
今やってるのは鬼ごっこだ。
『そうですね…。』
遊ぶ俺達を微笑みながら見つめるマナ。
やべえシルフィだ!!鬼だ!!
『楽しそうだな、主とカイトは。』
キャッキャッと笑いながら騒ぐ俺達。
結局シルフィに捕まってしまい、俺も鬼になってしまった。
『ええ…とても。』
残るはカイトの一人のみ。
…全力でカイトを鬼にしてやる!!
『カイトもぉ、ここに来て疲れが無くなってますねぇ。』
土の聖霊神、ノルマーはボコリと地面から姿を現すと眩しそうに俺達を眺める。
実際、眩しいのだろうけど。
『ぐるるるる…。
カイトの疲労はディルの疲労からだ…。
ディルが無事であれば、問題は無い…。』
マナの側に巨大な等身を置き、同じように俺達を見つめるサラマンドラ。
「捕まえたぁぁああ!!」
カイトを全速力で追いかけ、背中を掴む。
が、カイトは掴まれた服を脱いで再び逃走した。
「んなぁっ?!!」
「甘いで♪」
逃げるカイトに呆然とする。
普通、服を脱ぐか?
「待てこら露出狂!!変態!!」
「うっさいわい!!」
追いかけながら罵声を上げる俺に、逃げながら文句を言う。
シルフィがカイトの前から捕まえに行き、カイトの右からティゼルグ…左からスベルタが捕まえにいく。
「せこかっ!!?」
カイトを完全に包囲して、ジリジリと近寄っていく。
上に逃げられる可能性も考えて、俺達はカイトに飛び付く。
「今度こそ捕まえたぜぇカイト♪
覚悟は出来てるんだろうな……。」
ニタニタ笑いながら馬乗りになり、両手をワキワキとさせる。
捕まえた定番といえば…。
「秘技、笑い地獄!!!」
「うひゃぁひゃひゃひゃ!!!
堪忍…ギャハハハ…堪忍してやぁ…!!
アヒャヒャヒャ…ゲホッ…フハハっ!!」
くすぐり続ける俺。
笑い続けるカイト。
聖霊界にはカイトの笑い声が響いていた。
『『本当に楽しそう』』
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