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そもそもカイトが大食なのはストレスからきているので、ストレスの無い今…食べる必要が無い。
「(薄れているとはいえ、カイトにはエルフの血が混じってるからなぁ。
本当は水だけでも大丈夫らしいし…。)」
そう考えると、カイトのストレスは計り知れない値があるみたいだ。
…そのストレスの原因は俺なんだけど。
「むーん」
頭を悩ませる俺。
そんな俺にアラミンが声を掛ける。
「どした、ディル?」
俺は特に焦る訳でもなく、適当な理由を付ける。
「いや、旅に出てたって設定ならエイタンが突っ込んで来そうだからさ。
昔に<<迷走の森>>行った時に居た魔物が何だったか…。」
エアウルフとか居たような、居なかったような…そんな事を言うとアラミンも困ったような顔をした。
「変な蜘蛛みたいなん居らんかったか?
あと古代遺跡もあった気がするで。」
うろ覚えすぎる俺とカイト。
何せ数年前の事だ…あまり覚えてない。
「主にライスパルタだ。
古代遺跡は風の遺跡。」
そんな俺達に助け舟を出すルイス。
俺とカイトは思い出したかのように手を叩いた。
「そうそう!!
思い出した、あの時風の遺跡って知らなくて中に入ったんだっけ。」
「せやったなぁ!!
中に入るなり入り口が塞がってもうて…。
結局中を探検したんや。」
何とも懐かしい…。
カイト、ルイス、俺の三人で遺跡の謎を解きながら…途中ルイスが迷子になった。
「居らへんルイスに焦っとったなぁ。」
「いきなり居なくなるんだもんなー。」
和気あいあいと話す俺とカイト。
そんな俺達にルイスは溜息を吐いた。
「違う。
バカみたいに散策しまわるお前達に置いていかれただけだ。
真面目に謎を解く俺を放置し、次から次へと…。」
ブツブツと文句を言うルイス。
そうだっけか??
「遺跡の謎ってのは解くもんじゃねぇの。
手当たり次第に進んでいけば勝手に解けるんだよな。」
「せやでルイス。
遺跡で何が大事か…散策する事や!!」
キラキラと目を輝かせて言う俺達に、何だか皆は呆れたような表情をしていた。
「…カイトがディルに洗脳されてるな。」
どういう意味だロイド。
するとエリシアが笑いながら首を振る。
「元々カイトはこうよ。
昔はもっと酷かったわ…。
今でいうと、そうね…ディルが二人って感じかしら?」
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