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「譲歩してエアウルフとピクシーは許す。
他は許さ…カイト、ドラゴンは止めろ!!」
ドラゴンを召還したいらしい。
コッソリ召還魔導陣を描いていると、慌ててシューちゃんが消した。
「ああぁぁああワイのドラゴンが…。」
消された魔導陣にガクリと肩を落とす。
そんなカイトの背中をぽんと叩いてやる。
「…魔物じゃないけど。
シューちゃん、これならいいでしょ?」
シューちゃんに描いた魔導陣を見せる。
ラスボス感じで描いてみた。
「そうだな、それは名案…いや…ふむ。」
俺の描いた魔導陣を見て考え込む。
俺が描いたのは魔物を召還する魔導陣じゃない。
「ええんやないか?
手加減知っとるし、生徒の指導には持ってこいやと思うで。」
風の聖霊神シルフィ。
姿は子供、風の本質である気ままさ。
且つ、大人な知識を持つ。
人間は割と好きで、度々姿を具現化させては人を驚かせて遊んでいる。
「…学園長に許可を取ってみる。
あとシルフィにも許可を取るとしよう。」
シルフィはシューちゃんが契約している聖霊神だ。
俺と戦って、俺に負けた聖霊神(笑)
「ん、そうして。
うっし…出来たよ。」
「ワイも出来たで。」
描き終わった神を10枚渡す。
シューちゃんは眉間に皺を寄せながらそれを見ていき、持っていたファイルに入れた。
「お前らと、エリシア、ルイスの魔導陣は上級生向けだな。
…他の生徒を可愛く思う。」
遠くを見るシューちゃん。
俺達はシューちゃんを放置して皆の居る場所へと戻った。
「カイト君!!
お帰りなさい♪」
戻るとカレナ、アミラ、ベイトの三人が出迎えてくれる。
カレナはカイトのみだけど。
「久しぶりやなぁカレナ♪
アミラとベイトも、元気しとったか?」
久しぶりに顔を合わせる三人に、俺とカイトはいつもの表情を見せる。
アミラ…久しぶりに見たぞマジで。
「久しぶり、カイト君♪
ディル君と旅してたって聞いたよ?」
カレナはカイトと話がしたいようだ。
俺はアミラとベイトに話し掛ける。
「ディル…元気?」
俺のローブの裾を掴んで見上げる。
アミラの頭を撫でながら、俺は頷いた。
「随分と見なかったな。
元気そうで何よりだ。」
フッと笑うベイト。
そんなベイトも元気そうで何より♪
しばらく俺はアミラとベイトと会話する。
そういやカレナ、ベイト、アミラの三人だけが俺達の正体を知らないんだよな。
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