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「アラムから聞いている。
君がとんでもない魔術師であると。
あのアラムを唸らせるのだ、手加減は必要ないだろう?」
そう言って魔導陣を一瞬で地面に描くレナード。
「俺に魔術の手加減?
そんな事したら死んじゃうよ♪」
笑って言うと、レナードはフッと不敵な笑みを浮かべた。
不敵な笑みと共に、詠唱される魔術。
やはりレナードの個人属性は『土』みたいだ。
「『ロック・グレイヴ』」
「『エレメンタル・ドライブ』」
上空から落ちてくる巨大な岩。
それに水の魔術をぶつけて相殺する。
「『闇』属性と聞いていたが…。
なるほど、威力を上げているのか。
『エンシェント・グロウ』」
俺の足元から次々と土の槍が出現する。
俺は避けずにそのままでいた。
「魔術って便利だよね♪」
俺を突こうとして現れる土の槍は、直ぐに砕け散った。
鋭い風の刃が岩を砕いたのだ。
「無詠唱か。
『アース・クウェイク』」
「空を飛ぶ事も出来たり♪
ほんと便利だよねー。」
俺の足を掴もうとする土を、宙に浮いて避ける。
何だかさっきから攻撃されまくりだ。
「俺からも行くよー
『スプレイン』!!
追加発動『ウォーターラッシュ』!!
効果発動『エレメンタル・スラッシュ』!!
続けてくらえ!!
『レイン・アロー』!!!」
イジメのような魔術のオンパレード。
レナードは相殺するので手いっぱいだ。
「もういっちょ。
『エタニティ・ルード』!!」
最後の放った魔術は、地面から大量の水を具現させるとレナードを呑み込んだ。
生きているだろうか。
「…やりすぎたかな?」
少々調子に乗ってしまった。
発動した魔術が消えると、そこには岩が存在していた。
「おぉ!!
そうきたか。」
土のシールド。
レナードはそれを張って魔術を凌いだようだ。
張られたシールドは、バキバキと豪快な音を立てて砕け散る。
「……末恐ろしいな。」
少し水をかぶったらしい。
レナードは上から下までずぶ濡れだ。
「良く言われる♪」
特に聖霊神から。
俺はレナードに火の魔術を施す。
一瞬固まったが、直ぐに表情を変える。
「凄いな、この魔術。」
俺が施した魔術は、いつも風呂上がりに施す「身体を乾かす」魔術だ。
関心しているのか、驚いているのかレナードは溜息を吐いた。
「勝てる気がしない。」
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