試験

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++++ 「なぁアイル…。 あっちスゲェ事んなってねぇか? 『フレイム・ウォール』」 ディルを見つめるカイト。 そんなカイトを見つめるカレナ。 オレは同意を求めてアイルに尋ねる。 「そうですねー…。 カレナさんの気持ちを知ってますから、余計に痛々しい風景です。 『エア・スラッシュ』」 アイルとオレは、魔術を放ちながらも視線をカイト達に向けていた。 カイトは組み手に集中する事にしたみたいだぜ。 「カレナ…嫉妬の対象が男だぜ。 『ヒート・テール』」 遠巻きに見ながらも、眉間に皺を寄せるカレナにぼそりと呟く。 「それくらい、カイトさんとディルさんが仲良いって事です。 『エア・フロウ』」 ふと、視線を感じてリディアを見る。 リディアもまた、カレナ達が気になっていたみたいだ。 「リディアさんも気になるみたいですね。 ……唯一、気にしてないのはディルさんだけみたいです。」 天真爛漫、傍若無人、我が道を突き進むディル。 振り回されているのはオレ達か。 「仕方ねぇな…今度カレナにカイトとデートさせてやっか!! 『ヴォルテール・ブラスト』」 「ちょ…それ最上級魔術ですよ?!! 『フラン・フロウ・フレイバー』!!!」 ++++ ――――ゴーン..ゴーン... 授業終了の鐘が鳴る。 俺達は一度集まって、先輩達と交流を深めていた。 「あら、レナード。 あんたボロボロじゃない。」 所々ローブが破れて、土…泥だらけになっているレナードにリースが笑う。 「完敗に惨敗だ。 ディルは本当に素晴らしいぞ。」 そう言うレナードに、アラミンとアイル達は首を縦に振っていた。 俺は苦笑してそれを見ている。 「前から気になっていたんですが…。 『追加発動』と『効果発動』って?? 良かったら教えて下さい。」 本当に気になるのか、俺に尋ねてくる。 そんなアイルに、俺は事細かに教える。 「『追加発動』は最初に放った魔術の追加効果って考えたらいいよ。 『効果発動』はその魔術の効果。 つまりだ… 発動する魔術。 その『効果』が追加効果。 追加効果に付いている『効果』 それが『効果発動』…って分かる?」 首を横に振るアイル。 俺は少し考えて再び口を開く。
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