試験

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「エレメンタル・アローを放つとする。 そのエレメンタル・アローには追加魔術があるんだよ。 エレメンタル・アローを放った瞬間に、追加魔術を発動させる魔呪を唱える。 するとエレメンタル・アローの直ぐ後に別の魔術が放たれる。 それが『追加発動』 その『追加発動』した魔術に『効果』がある魔術がある。 エレメンタル・アローを追加発動させるとスラッシュ・アロー…そのスラッシュ・アローに付加されている『効果』。 それがウォーター・アロー。 『追加発動』と『効果発動』は決められた魔術しかない。 気になるなら、俺の部屋からその発動に必要な魔呪を載せてる本があったと思うから読んでみるといいよ。 あと『追加発動』と『効果発動』は、普通に詠唱する魔術より魔力の消費は少ないけど、その分威力も落ちる。 使い方は多種多様だけど、使い道は極めて難しい。 慣れない内はお勧め出来ない…けど、ある程度使えるようになったら便利だ。」 言い終えると、カイトを除く全員が驚いてた。 アイルは少し考えていたが。 「凄いなディルは。 あたしも色んな魔術師を見てきたけど、ディルは格が違うな…。」 「マジにすごいな!! 尊敬する!!」 「同じ魔術師として…。 一度手を合わせたいわ。 今度は私とやりましましょう?」 「私はそんな人物と…。 いやはや、世界は広いな。」 口々にそう言う先輩達。 何故かアラミン達は嬉しそうにしてた。 「スゲェだろディルは!! 魔術で勝てる気がしねぇよな!!」 威張るアラミンに、俺は苦笑する。 俺が威張るならまだしも、アラミンが威張って言う事かぁ? 「ディル様、本当に素晴らしい方ですわ。 知り合えた事、光栄に思いますの。」 リディアは心底嬉しそうだ。 だから何で喜ぶ。 「そんなディル君に魔術を教えてもらったんだね、私…。 これってすごい事だよね♪」 今まで俯いていたカレナも、少し嬉しいみたいで顔を上げて微笑んでいた。 …元気になったみたいだからいっか。 「意味が分かりました。 後でお部屋にお邪魔させてもらいます♪ 少し勉強してみる事にしました。」 そら良かった。 俺はアイルに頷く。 「せやけどアイル。 ほんま難しいで、追加発動と効果発動は。 ワイもやったけど今でもディルみたいには出来へんもんなぁ。」
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