試験

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そういや昔、カイトにこれ聞かれた記憶があるぞ。 しばらく練習してたし…。 「ディルみたいに魔呪を詠唱破棄出来んかって…結局諦めたんや。」 俺の視線を受け取って苦笑する。 魔呪の詠唱破棄か。 「普通に一緒だって。 詠唱破棄に大事なのは『理解』する事。 魔呪を理解すれば詠唱破棄や無詠唱は意外と簡単だぞ。」 魔呪を理解し、詠唱破棄を理解する。 全ての意味を理解すれば簡単だ。 そこに魔力さえあれば、だけど。 「『理解』…。 簡単に言うなや? 意外と大変やで、魔呪を理解するんはι」 遠い目をするカイト。 カイトなら出来ると思うのに。 ―――ゴーン..ゴーン... そこで授業開始の鐘が鳴る。 俺達は座ったまま、次に何をするか考えていた。 「うーん…。 魔力の底上げでもしとく??」 「もう魔術はええ…身体動かしたいで。」 それもそうだな。 ずっと立ちっぱで魔術使ってたから、身体が固まってるし。 「…魔鬼ごっこでもする? 魔術有り、武術有りの遊びなんだけど…皆知ってるよね?」 これといってする事が無い俺達。 いっそ遊ぶ?と冗談で言う。 「お!! それ名案だぜ!! 遊ぼうぜ、皆で♪」 冗談で言ったのに、アラミン達は快くその提案を受け入れた。 本当にいいんだろうかι 「魔鬼ごっこ…。 知ってると思うけど、一応説明しとくぜ!! 魔術・武術を含めた究極の鬼ごっこ!! 鬼は通称、騎士。 逃げる人は通称、黒徒。 騎士は黒徒が腕に着けているハンカチを取れば勝ち。 黒徒はハンカチを木に着ければ勝ち。 ってルールだけどどうする? 木は沢山あるぜ。」 チームで騎士か黒徒かには別れれるけども、目立つ大木らしい大木が無い。 「それはオレが請け負う。 黒徒はオレにハンカチを渡せ。」 するとシューちゃんが話し掛けてきた。 俺達はそんなシューちゃんに驚く。 「シューちゃん。 仕事はいいの?」 「「シューちゃん?!!」」 エルガーという貴族をちゃん付けする俺に、アラミンを除く先輩達が驚いた。 何かフェイタンみたいだ(笑) 「問題ない。 アラミン、それでいいか?」 シューちゃんはアラミンにそう言う。 アラミンは爽やかな笑顔を浮かべた。 「あぁ、いいぜ!! 黒徒はシューちゃんにハンカチを渡す。 シューちゃんの手にハンカチが3枚渡されれば黒徒の勝ち。 逆に3枚騎士の手に渡れば騎士が勝ち。 これでいいな♪」
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