心と現実

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「八嶋、おまえのモデルの衣装担当の子がきたぞ。」 先輩に言われ、スタッフルームから出ると……… 「市原………」 「八嶋、知り合いか?」 「まぁ………。」 「なら、話は進めやすいわな。じゃ、しっかり頼むな。」 仕事モードの市原は、普段から知ってる市原まゆとは違い………ちょっと面食らった。 「なんで、この前話さなかったんだよ?」 「………ケンジが嫌がるかと………」 嫌がる理由はなにもない。 とはいえ、仕事モードの市原は、赤フレームのメガネに薄いブルーのシャツ。紺のパンツスーツで、キレ者のキャリアウーマンみたいで………かなりドキドキしてしまう。 「こらっ、話聞いてた?モデルさん来る前に決めなきゃ」 市原の話なんて、耳に入ってなかった俺は、コツンとファイルで叩かれた。
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