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1日目
友達に会うのは明日だしと、ゆっくりと準備をして、実家に電話かけた。
今から帰ることを母に伝えると、いつもなら「早めに連絡してよ」と怒るのに、その日は違った。
「昨日からシュンがご飯も食べないし、誰かが小屋に近寄っても中から出てこない」
と、心配そうな声でいう。
それを聞いた瞬間、心臓の鼓動が早くなった。
つい1ヶ月前にも、具合が悪くなって危なかったと、母から聞いていたからだ。
「もう16才だし、これから、もっと暑くなるから、シュンに外はキツいかもね」
できるだけ明るく言ってみる。
深刻な言葉を口にすれば、それが現実になってしまう気がした。
そんな私の言葉に、母は
「そうだね、あんたが家に着いてから、シュンの様子見て考えようか」
と言った。
電話を切ってすぐに出発。
でも昼を過ぎていたから、地元に入る頃には、薄暗くなっていて、せっかく海沿い走ってるのに、暗くて海が見えない。
もうちょっと早めに出れば、と少し後悔していた。
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