最後の３日間

２日目

早起きして、すぐシュンのところへ。

昨日と同じように力の入らない足を一生懸命踏ん張って、私に近付こうとするけど足が言うことをきかない。

犬小屋に体を寄っかからせながら必死にシッポを振っていた。

６月下旬、少しずつ蒸し暑くなり始めた。

人間の年齢にすると、９０歳を越えているシュン。

住み慣れた小屋の見える、庭に面した縁側に、居場所を作ってあげることにした。

まずビニールシートを敷いて、その上に毛布とバスタオル。

縁側は玄関に続いている。

昔ながらの玄関は、ヒザより上くらいの段差があるから、落ちないように衣装ケースでしきりを作った。

それから母と二人掛かりで、シュンの身体を温かいお湯できれいに洗った。

暑くなってきたとはいえ、体力の落ちきったシュンを洗うのは、時間との勝負。

手早くバスタオルで拭いて、ドライヤーで乾かすと、縁側に移動。

少しでもご飯を食べてくれないかと、昨日と同じく豆乳でふやかしたドッグフードを口元に持っていく。

でも足を伸ばし横になったまま、口を開けようとはしなかった。