桃太郎

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「………じゃあ聞くが、お前は鬼逹が何故村を襲い食料を奪うか分かるか?」 「何故だと?ふんっ、大した理由などないのだろ?ただ村を襲い、人間逹が怯えるの面白いだけだろ?」 「違うっ‼鬼逹が住む鬼ヶ島は一面岩だらけで作物をそだてるどころか、草も殆んど生えない所だ… そんな島に鬼逹を追いやったのは貴様ら人間ではないか‼ 昔は鬼逹は山奥にひっそりと暮らし、川の魚や、山に住む獣、そして山に生えてる植物を取って食べていた…しかし、人間逹が山の奥まで入るようになり、鬼を見付けると『自分達と見た目が違うから』『自分達より大きく力が強いから』『見た目が恐ろしいから』という理由で次々に鬼を鬼ヶ島へと追いやったのではないかっ‼」 「…………」 「海で採れる魚だけでは鬼逹も生きては行けない…だから村を襲うようになったのだ…そこには鬼逹の復讐の気持ちもあっただろう…それでもお前逹は鬼逹を皆殺しにすると言うのかっ‼‼」 「そうか…そうであったか………」 桃太郎の話を聞き、お殿様は初めて鬼逹の現状を知りました。 「しかし、かと言って村を襲うのを黙って見逃す訳にはいかない‼」 「……じゃあ、やはり鬼逹を皆殺しにしてしまうのか?」 「いや、そうではない‼」
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