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――それは現代から約1100年程過去の事。
時は平安時代の中期。
摂関政治で藤原氏を中心とした貴族達が、
花よ、夢よ、と栄華を極めていた時代。
この世をば 我が世とぞ 思ふ 望月の 欠けたる事も 無しと思へば
絶対的権力を持ち、この世の春という春を謳歌していた藤原の道長が謳ったこの和歌はあまりにも有名である。
しかし、その優雅で華麗な貴族達の歴史の裏の影に静かに潜むモノ達がいた。
鬼、物の怪、悪霊、そして魑魅魍魎達。
彼らは決して陽の当たる面舞台には上がって来なかったが、
それでも確かに存在し、夜に蠢き、人を襲った。
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