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消化器内科病棟の205号室 二人部屋の窓際のベッドが 今日から父の戦場。ナースセンターのすぐ近くである。重症の患者さんが多い病棟なのか ナースコールで 走る看護師 心電図のモニターチエックをしている医師 前の病院に比べて それだけ 病状の重い患者ばかりなのか 父もその中の一人なのか 相変わらず 口からの栄養の摂取は難しく 胸の静脈から栄養を入れる処置が行われた。点滴は持続 針も入りにくくなり ての甲や時には 足から入れる事もある。父は点滴を嫌がり 何度か抜いてしまう事があった。そのため 抑制という処置をとられ 手が動かせない状態が続く。見ているだけで 痛々しく正視する事が出来ない。「可哀相なお父さん…」どうしてあげる事も出来ない。脚が怠いと言えば 母と二人で さすってあげた。感覚がないのか 物の痛みを感じる神経が麻痺しているのか 「もう いい やめろ」辛く怠い身体を持て余しているのか 父の体調は悪化の一途をだどっていった。
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