体調不良

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幼稚園の年長になった頃から 父は胸焼けや 胃重感を訴える事が 多くなった。父はハイライトという煙草を 一日二箱吸っていたのが 「煙草が 不味いよ」そう言ってあんなに好きだった 煙草の量も減っていった。母や祖母 叔父達は医者に行く事を薦めたが根が医者嫌いだったので 「胃が荒れてるだけだよ」と 相変わらず市販の胃薬で症状を抑えていた。今にして思えばあの時診察を受けていれば 助かったのかも知れない 最悪の結末を迎えずに済んだのではないのか 今思えば悔やまれてならない。自分がもう少し大人だったら 首に縄をつけても医者に連れていったのに まだ6才の私には 「お父さんお腹痛いの?大丈夫」そう言うだけしかできなかった。ある朝 両親が言い争う声が聞こえてきた。「トイレで吐いてるじゃないの お願いだから 病院で検査して」「うるさい!俺は医者が嫌いだ ただの胃炎だ 医者には行かないからな」子供心に 徒ならぬ現実を感じ始めていた。「お父さんは 悪い病気なのかも…」二人の口論は続いていた。私は耳をふさいで布団の中で 震えていた。
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