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帰っても、青く寂しさと喪失感に埋められている部屋を見るのが嫌で、私はそのうち、近くを徘徊するようになった。
街灯に照らし出されて白く光るアスファルトを、ただ黙々と日にちが変わるまで歩き回った。
おでんをコンビニエンスストアで買って、月明かりに照らし出される浮浪者の多い公園で汁をすすりながら何時間もベンチに座り続けた。
さなこの死んだ事故現場を見張って、いとしい、あの姿がちらりとでも 見えやしないかと、数珠を片手に立ち竦んでいたりもした。
そうして妻の匂いが濃く残る家に帰って、ウィスキーを水割りで何杯か飲み、べろべろに柔らかくなって、眠るのだった。
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