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「美っ…何でここに?」
「ここなら居ると思ったから」
貴之の火葬の時間、落ち着かず俺は海にいた。
「……何か顔色悪い…大丈夫?」
「相変わらず…美夏は凄いね」
「…?何かあった?」
「……怒らないの?いきなり別れつきつけたり、酷い事言ったり…昨日は約束を破ったんだよ」
「…でも…一昨日英士は会いに来てくれたもん。…それに見えないのに、私が玄関にいるって気付いてくれたんだよ。約束を破った事は、よっぽど大切な用事があったのかなって…それに」
「それに?」
「私が…私が会いに行けばいいかなって思って…だってあれからずっと………英士に会いたかったから」
美夏―…
キミは本当に俺を理解してくれてるんだね。
駄目だ…
酷い事をした俺がその優しさに甘えたらいけないのに…
「っ!?英士!?」
「…ごめっ…暫く…このままでいさせて…」
俺は美夏を抱き締めた。
美夏は最初戸惑っていたけど、何も聞かずただ、黙って俺の背中をさすってくれた。
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