wave

4/9
前へ
/155ページ
次へ
「美っ…何でここに?」 「ここなら居ると思ったから」 貴之の火葬の時間、落ち着かず俺は海にいた。 「……何か顔色悪い…大丈夫?」 「相変わらず…美夏は凄いね」 「…?何かあった?」 「……怒らないの?いきなり別れつきつけたり、酷い事言ったり…昨日は約束を破ったんだよ」 「…でも…一昨日英士は会いに来てくれたもん。…それに見えないのに、私が玄関にいるって気付いてくれたんだよ。約束を破った事は、よっぽど大切な用事があったのかなって…それに」 「それに?」 「私が…私が会いに行けばいいかなって思って…だってあれからずっと………英士に会いたかったから」 美夏―… キミは本当に俺を理解してくれてるんだね。 駄目だ… 酷い事をした俺がその優しさに甘えたらいけないのに… 「っ!?英士!?」 「…ごめっ…暫く…このままでいさせて…」 俺は美夏を抱き締めた。 美夏は最初戸惑っていたけど、何も聞かずただ、黙って俺の背中をさすってくれた。 .
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16511人が本棚に入れています
本棚に追加