小春日和の公園で

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「何考えてるの?」  いつの間にか考え事をして俯いていた僕の肩越しから、ちらっと見上げた先に雪生子の顔があった。  僕はどうしようもなく照れ臭くなって、それ以上顔を上げる事が出来なくなった。  その態度に業を煮やしたのか、雪生子はその全体重を掛けて、僕の背中に覆い被さってきた。  こうやってくっ付いていると暖かい。 「北海道はもう雪降ってるんだって」  耳元に雪生子の息が掛かる。  僕は少し顔を上げ、一言『そうなんだ……』と答えた。  雪生子は空を見上げていた。  僕もそれに合わせて顔を上げる。  空には先ほどの虫と同じ格好をした小さな虫が、まるで雪の様に何匹も何匹もふわふわと空中を漂っていた。
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