序章

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ここでスルー! なんかワケのワカランことをのたまってるヤツがいることなど知らぬ、あー今日はいい天気だなー。 魔王はというと、暴君を前にしたメロスのような目つきでこちらを睨んでいた。 「勇者は問いを 『――断る!悪魔の甘言などに耳を貸すものか!』 と切り捨てる。そういうストーリーのはずだろうが」 へぇ、そうだったのかー。まあいいや。あーおなかへったなー。 「……カットだ。何を呆けているか藍原」 魔王モード(口調と態度がすごく高圧的)をやめた氷川がぼやく。 とりあえず話が通じるようになったみたいなので相手をしてやることにする。 それにしても呆けているとは失礼な。 「ん、いや、おなかすいたなーって」 「このままではフィルムがNGカットでマッハなんだが……とにかく真面目にやれ」 そう言う氷川の目は割とマジだ。 しかし真面目にやる気など湧くはずもないので、僕としては適当に受け答えするしかない。 「えー、あー、うー、あーうー」 殴られた。
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