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不思議な夢を見た。
白ウサギと緑ガメが、どこか綺麗な水辺のほとりで喋っていた。
ウサギとカメと言えば、可の有名な競争のお話だが、そいつらは何をするわけでもなく喋っているのだ。
話が通じたのだな。
「変な夢…小学生のような夢だな」
物音で目が覚めた私は、無駄に長い髪をボリボリかきながら上半身を起こす。
「イタタタ…ありゃ?」
なんだコレ。
妙に痛む体を起こし、まず混乱した。
何故か私の寝ていた床には藁が散乱し、手足を伸ばしていっぱいいっぱい程度の小さな空間に居た。
四方八方を薄い板かなにかで囲まれていて、座っていると頭がつきそうなくらい低い天井の板からは、薄く光が漏れていた。
何で私こんな所に居るんですか?
私がもし閉所恐怖症なら、失神ものの閉所っすよ?
とりあえず天井の板を押してみる。
「あ、開かない」
右も左も、前も後ろの板も蹴っても叩いてもその板が外れる事は無かった。
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