723人が本棚に入れています
本棚に追加
自分で自分の腕を撫でれば、まだ微かにピリッとした痛みが走った。
ゴミ箱から捕まれた箇所…夢じゃない。
「あ、あなたが私を連れてきたってどうゆう事?」
このままじゃ何にも進まない、もしかしたらゴミ箱で気絶した私を、この人が助けて、自分の家に連れ帰っただけかもしれない。
うん、きっとそうだ。
一瞬怪奇現象か何かにあったのだと思ったけど、18年間生きてきた中でよく分かってきたじゃないか。
幽霊も宇宙人も、ネッシーやツチノコなんて居ない。まして魔法やおとぎの国なんてディズ○ーランド以外に存在しないだろう。
「そうだよ、世界なんて…面白くもないもの」
相手の返答が遅くて、自分に言い聞かせるように独り言が漏れた。
「残念だな、」
「……何が?」
この人間と喋ると疲れる。
ああ、疲れる疲れる。
ニヤニヤ笑う彼は、金の髪が揺れるぐらい突然私の手首を掴む。
「なっ!?何!?」
「来い」
『世界を変えてやると、確かに私には聞こえた』
最初のコメントを投稿しよう!