何で炭酸なのにゼリーなのか

10/10
前へ
/134ページ
次へ
自分で自分の腕を撫でれば、まだ微かにピリッとした痛みが走った。 ゴミ箱から捕まれた箇所…夢じゃない。 「あ、あなたが私を連れてきたってどうゆう事?」 このままじゃ何にも進まない、もしかしたらゴミ箱で気絶した私を、この人が助けて、自分の家に連れ帰っただけかもしれない。 うん、きっとそうだ。 一瞬怪奇現象か何かにあったのだと思ったけど、18年間生きてきた中でよく分かってきたじゃないか。 幽霊も宇宙人も、ネッシーやツチノコなんて居ない。まして魔法やおとぎの国なんてディズ○ーランド以外に存在しないだろう。 「そうだよ、世界なんて…面白くもないもの」 相手の返答が遅くて、自分に言い聞かせるように独り言が漏れた。 「残念だな、」 「……何が?」 この人間と喋ると疲れる。 ああ、疲れる疲れる。 ニヤニヤ笑う彼は、金の髪が揺れるぐらい突然私の手首を掴む。 「なっ!?何!?」 「来い」 『世界を変えてやると、確かに私には聞こえた』
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

723人が本棚に入れています
本棚に追加