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「あんれ?」
果たしてどうゆう事なんだか、ゴミ箱が悪いんじゃなかったら缶が変なのかと右手のソレを盗み見ても、只の空き缶だ。
私が握ったので多少潰れてるがな。
その場に立ち尽くす事数分、こんな事に時間を潰すことをバカバカしく思えてきた私は、缶を直接ゴミ箱の底に置いた。
さて、今日はお気に入りのドラマの放送日じゃないか、お腹も減った、この太陽の暮れ具合を見ても時間をロスした事が分かる。
「…帰ろう」
そう、また道に戻ろうと歩きだした。
筈だった。
「あははははははははマジですか!?マジですか!?離せゴルァアアアアアア!!」
私の手首を掴む冷たい指の感触、そりゃあもう生きているのか?と聞きたいくらいに。
まだ、まだそこまでは300歩譲って良いとしよう。
問題はその指の持ち主だ、今私は全力で捕まれた手首を見ないように努力し、かつ逃れようとしている。
冷や汗ダラダラ
動機ドキドキ
私、ゴミ箱に突っ込んだ手を握られてます。
うふふふふふふふ
誰ですか?
さっき誰も居なかったよね?
誰ですか?(大事なことなので二回言いました)
「離せぇえええええ!!お願い!!離してぇえええええ!!」
シャウト同然の奇声(悲鳴とも読む)で助けを求めるが、悲しかな、此処は人気の無い路地だ。
過去最大の勇気を出してゴミ箱を覗き込む。
見なきゃ良かったorz
「ヒッ!?」
一段も二段も強くなった引っ張られる力は、踏ん張る私を華麗にスルーして私ごとゴミ箱の底へ連れ込んだ。
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