第十七章:明かされる真実の名・戻らない現実

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『『………………』』 ((信じられない……)) 蒼と碧はそんな稔麿の行動に唯々眼を丸くさせた 主様は普段……、というか…マリア様以外には、基本的に稔麿様は"冷徹"だ… 他人に"甘える"所を見た事など一度もない---… (女に対しても、女から稔麿様に絡む事はあっても、ご自分からなど有り得ない…) 『……………………』 (この人……一体………) 碧は一人考えを巡らせた 『稔麿……』 『ん……?……』 稔麿は後ろからマリアを抱き締めた状態のまま、マリアの首に顔をうめるような格好で答えた 『…………うぅん………何でもないの………』 マリアは瞳を揺らしながら答えると、顔の前に回された稔麿の腕に頬を乗せた (……………マリア……?…) (…………どうして……) どうして私は"この時代"に飛ばされたの……? "未来"から来た私は、決して"過去"である貴方とは出会うはずがなかったのに---… 否、 ・・・・・・・・・・・ 出会ってはいけなかったのに-------……… 私が話せば、【未来】が変わってしまうかもしれない---……… (でも……………) 『マリア……?…』 稔麿は小刻みに震えるマリアに、心配そうな眼を向けた 『……か……ないで………』 『……え………?…』 次の瞬間 ぎゅっ・・・・ マリアは身体を反転させると、稔麿の首に腕を回し抱き付いた 『置いて…行かないで……』 か細い声だった… だが、稔麿にはしっかりと聞こえていた---…… 『大丈夫…何処へも行かない----………』 稔麿もまたマリアの腰に手を回し、抱き寄せた "置いて行かないで" この言葉の"真意"を知っていたのは……… 今はまだ…、"マリア"だけだったのだろう----…… ..........
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