3461人が本棚に入れています
本棚に追加
ガンッ……
『…………………』
(荒れてるな……総司のやつ……)
土方は道場で隊士達に稽古……嫌もとい"しごき"をしている沖田を見て、溜め息をついた
"あの夜"
消えてしまった少女に思いを寄せて---……
(………結局、全ては話さなかった………)
総司に問い詰められた時、俺自身混乱していた
『…………………甘いな………』
心のどこかで、自分は"特別"だという驕りがあったのかもしれない---……
真っ白な髪と眼……まるで…、天女様みてえだった……
(………一体……何処へ…………蘭……)
お前がいなくなってから、屯所ん中は葬式みてぇに沈んじまってやがる……
(………いつの間にか"お前"は………)
こんなにも…、大きな存在になっていた……
土方は悔しげに呟くと、サワサワと揺れる木々を吹き抜ける風に髪を揺らした
失った代償は…
あまりにも大きすぎた-----…………
......
最初のコメントを投稿しよう!